1章 桜の話
あなたはいろいろある花のなかで、何が一番きれいだと思いますか?
コスモス?パンジー?チューリップ?それともデンドロビューム、蘭、萩、菜の花、バラかもしれない。
日本には四季おりおりのいろいろな色の花が咲き、これほど多くの花がさく国は
ほかにないかもしれない。そんな中で、「これが一番」と誰もが思うような花がある。
それは「桜」だ。
春になると本州の山、河原、公園、家の庭などいたるところで咲き乱れ、日本の風景を彩る。桜の色は人の心を動かす。これほど日本人に愛される花はないだろうと思う。
さてこの桜とゆう木は不思議な木で、春先に花を咲かす。
ほかに春先に花を咲かす木はほかになにがあるだろう。
梅、桃、李、杏などがあるが、あまり種類はない。
さてなにが不思議なのかとゆうと、桜とゆうのは花が先に咲くからだ。
春の花見の時期に、雨が降ってしまって大方散ってしまい、その後に黄緑色の葉が生えた葉桜を花見で見た人もいると思う。これはこれで乙なものだけど、ここで同じ時期に咲く菜の花を思い出してほしい。菜の花はまず葉をつけてから、先端に黄色い花が咲く。細かく追うと、まず胚乳から栄養分をもらって芽を出し、葉で栄養分を作ってつぼみをつけて花を咲かす。その後、葉で栄養分を作って実に溜め込んでゆく。
大体の植物は、先に葉をつけてから花を咲かす。
しかし桜は葉もないのにいきなり花を咲かす変わった植物だ。
もし葉をつけないで花を咲かすとなると、葉から栄養分をもらわずに花を咲かさなければならない。咲くための栄養分はどこからくるのだろう?
葉がなければ栄養分も作られないので実がならない。
だから本当は葉をつけてから花をつけたほうが安全で、そうゆう植物のほうが多い。
そうでない桜は変わった植物だ。
さて日本に多く植えられたソメイヨシノという品種は花を多くつける品種で、あまり実が大きくならない。私は前にサクランボの木を植えたことがあるのだけども、花はあまり多く咲かず、市販のサクランボほどではないが、赤い実をつけた。
ソメイヨシノは花を多くつけるがゆえに、栄養分を分けてしまうため、実が大きくならないのだ。
ソメイヨシノは花を多くつけ見るには大変美しい品種だが、身のなる品種をもっと植えてもいいと思う。